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これからの製造現場に求められる、
精密測定機器の「見える化」

「スマートファクトリー」という言葉がよく聞かれるように、製造現場のIoT化による生産性の高い工場づくりへの気運が高まっています。その手段の一つに、精密測定機器の稼働状況見える化も含まれており、製造業の品質管理においては無視できない取り組み課題となっています。今回は、なぜ精密測定機器の稼働状況見える化が重要なのか、その背景やメリットを解説します。

進めるべき「製造現場のIoT化」

製造現場において、生産性のさらなる向上や人的ミスの削減による製品品質の向上・業務プロセスの改善を目的に自動化が進められており、これらは「スマートファクトリー」とも呼ばれています。中でも、自動化のためのテクノロジーとしてよく活用されているのが「IoT」です。

IoTとは、各種機器をネットワーク接続し、相互に情報をやり取りするしくみで、リアルタイムでのデータ収集も可能になります。たとえば今回メインで取り上げる精密測定機器も、IoT化することができれば、稼働状況に関連するデータを随時取得できるようになります。

もちろん、多くの現場では稼働状況データを記録し、見える化していることでしょう。しかし、機器を利用した時間や製品を測定する際に掛かった時間を担当者が時計やストップウォッチで計測して記録するなど、手動で運用しているケースが多いのではないでしょうか。手動の運用では担当者の手間が掛かってしまう上に、「だいたいこれくらいだろう」とおおよそで記録されてしまう場合もあります。一方、もしIoT化が実現できれば自動で正確に稼働状況データを取得できるようになり、今後の業務改善や経営判断に生かしやすくなるのです。

精密測定機器における
「稼働状況見える化」の重要性

精密測定機器の「稼働状況データ」には、以下のようなものが含まれます。

  • 稼働率(1日に何時間、精密測定機器が動いているか)

  • 測定件数(1日に何件計測をしたか)※「タクトタイム」

  • エラー数(何件エラーが出たか)

こうしたデータが見える化されることで、製造現場の改善に生かすことができます。たとえば、1日に8時間精密測定機器を稼働させても必要な生産数(測定件数)に届かない場合は、精密測定機器の測定スピードを上げるか精密測定機器の台数を増やすといったアクションを起こさなければなりません。

また、より詳しいデータとして「時間帯別の測定件数」を取得できれば、「誰が測ったか」や「何を測ったか」によって生産性にどれだけ差があるかも見えてきます。場合によっては、気温と測定件数の相関なども見えてくるかもしれません。つまり、データが多く正確に取れるほど、製造現場の現状を把握できるようになるのです。

稼働状況見える化のメリット

精密測定機器をIoT化し、稼働状況を見える化することができれば、多くのメリットが生まれます。


意思決定スピードが上がる

新しい機器を入れるか/入れないか、 古い機器を入れ替えることで生産性が上がるか/上がらないか、人を新しく採用する必要があるか/ないかの判断が付くようになり、意思決定スピードが早くなります。

一方、もし見える化ができていなかったり、データが正確でなかったりすると、意思決定ができず、現場の課題解決に時間が掛かってしまいます。


生産計画の策定に生かせる

タクトタイム(製品1個を測定する際に掛かる時間)を正確に把握できれば、「〇日で〇個生産できる」という生産計画を正確に立てることができるようになります。

また、新規プロジェクトに取り組む際の参考材料などとしても活用することができるでしょう。


クライアントからの信頼向上

「新規の仕事を任せられる生産能力を持っているか」確認するために、クライアントから計測データの提出を求められるケースもあります。

特にエラー数などは、可視化しておくことで信頼に繋がる上に、正確なデータを計測して記録している行為自体もクライアントからの信頼向上に結び付くでしょう。


業務効率化や生産性の向上

もちろん、稼働状況データを「自動」で取得できるようになれば、これまで手動で運用していた担当者の作業時間を軽減できます。

その分、担当者は本来取り組むべき仕事に集中できるようになるでしょう。

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精密機器の「見える化」はどう進めていけばよいか

メリットが大いにあるとわかっても、初めて精密測定機器のIoT化に取り組む際には、何から取り掛かればいいか迷うものです。また、製造現場の状態によって最適な精密測定機器の選定方法はさまざまです。

モリタでは現場の状況や貴社の課題をヒアリングした上で、精密測定機器のIoT化に向けたご提案をおこないます。商社の強みとして、メーカー・SIer両方とのリレーションがあるため、パッケージ・スクラッチどちらの提案も可能であるなど、要望を伺いながら柔軟なご提案が可能です。

「稼働状況見える化に向けた、測定機器選定・見直しポイントを解説」では、精密測定機器のIoT化に向けた具体的なステップを紹介しておりますので、ぜひご覧ください。

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